インを攻める

この日は、先生と2人きりのドライブ。
車のレッスンだ。

コーナーの時にインを攻めていく。
これが今回の練習で課せられたテーマだった。

このとき、時間は夜の8時。空からは雨が落ちていた。

夜の雨は視界がやばい。

とても危険だと思った。

先生との待ち合わせ場所に行く時でさえ、周りがあまり見えずアクセルを抑え気味に踏んでいたのだから。

くれぐれも無理だけはしないように。

僕は心がけた。

とはいうものの、インを攻めなくては練習にならない。

どうしたら、車をぶつけずに走れるのか。

不安が心を蝕むも、体は正直である。
カーブの時には曲がる方向に体を預ける。
体とカーブの距離が近づけば、それだけ視界に入りやすい。
道と車の間隔がわかりやすくなる。
単純な原理である。
はたからみると、体を預ける僕の姿は、みっともなく映っていたかもしれない。
しかし、僕は車を守ることで精一杯。
格好のことまでいってられない。
さらに、この態勢が走りやすいのだから、僕は迷わずにコーナーに向って体を預けるのをやめなかった。

それを続けていくことで感じたことがある。

コーナーの時には、2つのポイントがある。
1つは、体勢を崩さないこと。
もう1つは、視界の確保。
ともに共通しているのは、それを守っていれば、怖さを感じないことだ。

逆を言えば、それが出来ないから、カーブ時に恐怖を感じてしまうのだ。

とても単純な原理。だけど、コーナーが深ければ深いほど、体勢と視界を維持するのが難しくなる。

インを攻めていこうと意識し続けたことで、コーナーへの考えをよりシンプルに整理出来た。

これはとても大きなことだ。

そして、レッスンが終わったとき、僕は先生の一言で大事なことに気づいた。

「インを攻めると運転が楽になるだろう」

そうなのだ。

インを攻めることは、とても危険なイメージがあったのだけど、実際は運転が楽に感じられたのだ。

なぜなら、外から内側に走ることで、円から線の動きになる。
まっすぐにカーブを走れるようになったからだ。
コーナーを耐えるといよりも、コーナーを攻めていく走りが出来ていた。
しかも、安心だと思えるから、いつもよりも踏むことが出来た。

そして、何よりも気持ちが良い。
これが一番大事なのかもしれない。
気持良いから、もっとを追求するようになるのだから。

新たな発見がいくつもあった夜。
僕はレッスンを終えた後も、峠へと戻って行った。
コーナーを攻める感覚を体に染み込ませるために。
[PR]
by postmanda | 2009-04-21 01:06


<< 続・太宰研究 僕はイチローになった >>