斜陽

太宰治の『斜陽』をもう一度読むことにした。

なぜなら、僕はこの作品に鬱文学の完成を感じているからだ。

『斜陽』は、自分では何も出来ず、己の弱さに苦しんでいるお嬢様が、恋を成就させることで、人生に革命をもたらそうという物語。

主人公が鬱の典型なのであり、だからこそ、僕はこの作品を鬱文学と呼んでいる。

主人公が鬱っぽい物語は他にもあるが、この作品の大きな特徴は、自分の弱さを主人公が自覚している点にある。
そして主人公が己の弱さを告白していくスタイルで物語は進んでいく。

『斜陽』に共感してしまうのはこの己の弱さを自覚して告白する点にあると思う。

自身の弱さに気づいていなかったり、無視していたり、反発したりするよりも、自覚をすること。自分も小説を書くなら、主人公にそうさせたいなぁと思うようになってきた。

弱い人間だと認めた上で、人生に革命を起こそうとする。

なんて潔いんだろう。

これは僕にとって一つの理想的な主人公の行動である。

一つの理想である『斜陽』をもっともっと研究だ。
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by postmanda | 2009-02-12 01:06


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