山道を下る

夜の暗い山道を徒使君が車で登っていく。

周りは見えないし、道はどんどん狭くなっていくし、昼間よりもはるかに大変だなと思っていた。

この道を自分が運転することになるなんて思いもしていなかった。

告げられたのは、山道を登っている途中だ。

そんな無茶な・・・

道があんなに狭いんだよ・・・ 


でも、やるしかない。

出来ないなんて思ったら、ますます出来なくなる。


頂上につき、徒使君と運転席を変わる。

先生は、

アクセルは使わずに1速のままでいい

と言った。

それを言われて、少し安心した。それでも、自分にとってはとてもハードなミッションだ。

一瞬でもぼうっとしたら、ぶつかってしまう。

緊張感を高めるために、できるかぎり声を出した。

余計なことは一切考えるな。目の前のことに集中しろ。

スピードを出さずにゆっくりと運転して、ぶつけることもなく無事終わった。

安堵するものの終わった後も気持ちが高ぶっていた。

こんなに緊張感を高めたのは、いつ以来だろう・・・。

舞台に上がったとき以来か?

無事終えて良かった。

しかし練習は続く。2回目にチャレンジ。

このときは、一度車をガードレールにぶつけそうになった。

ギリギリのところで車が周れていった。

危なかったのにブレーキをさらに緩めようとしなかった。

危機感が足りない。

目の前に危機感に体が反応出来ていない。

急に山道を下る怖さが増した。

いつかぶつけるんじゃないか。

心配になっていく。

3度目のときは、ぶつかりそうになったところを注意してスピードをもっと緩めようとしたものの、焦ってブレーキを踏もうとしたら、ちょっとアクセルにも足がかかってしまった。
だから、思った以上にスピードが緩まない。
ブレーキを踏むところで、アクセルを踏む。
完全にアクセルを踏んでいたら、ガードレールにぶつかってしまう。
今度は、体をコントロール出来ない不安が出てくる。

そして、4度目。
運転に入る前、先生がコーナーを周るときのアドバイスを送ってくれた。

左を曲がるときは、道の左側の奥端を見る。右を曲がるときは、道の右側の奥端を見る。そうするとコーナーを曲がりやすくなる。

このことを声に出して、運転した。

左奥と右奥を見ることに専念する。

するとコーナーが曲がりやすくなっていた。

とても運転しやすくなった。

周る側の奥を見るこを意識しているだけでコーナーを綺麗に周れるようになっていくのだ。

それまで車に振り回されていたのに、
コーナーで車をコントロールすることができるようになっていった。

車をコントロールできるようになっていくと、ブレーキをどれくらい緩めるべきかの判断もできるようになっていった。

1つのことを意識するだけで、ほかのこともできるようになっていく。

はじめは、無事山道を降りれたことに安心していただけだったけど、4度目の運転では、コーナーを周る楽しさを僕は感じていた。

コツを知って、コーナーを周る楽しみを僕は覚えたのだ。

山道を下っていくのはとても怖い。
一瞬でも判断を誤れば車を激突させてしまうかもしれない。
そんな怖さがあるから、コーナーを周りきれたときのうれしさは、普通の道を運転したときの何倍にもなる。

でも、うれしさよりも車を運転する怖さをもっと意識していたい。
こつを知らなければ、車をぶつけていたかもしれない。もっとスピードを緩めて運転すべきだった。

そして、このときの緊張感を普段の生活でも忘れないようにしよう。
[PR]
by postmanda | 2008-08-13 10:05


<< ナビの失敗 山道 >>