オレの夏休み②

ちびまる子ちゃんの主題歌『おどるポンポコリン』。
ヒデミさんの説明では、この曲は音程を合わせやすいらしい。でもそれでも合わない。
しかも、リズムよりも低い声で音程を合わせるを意識して歌っていたら、先生から楽しく歌えという助言が出た。
たしかに、楽しい曲だから、その方が音程を合わせやすいと思うのだが、気持ちの方が受け入れられない。
遅くまで働く編集部での仕事と、厳しさが増している劇団活動。2つが重なり、
楽しいって何だろうって気持ちになっていた。

でも何より大きかったのが、ちびまる子ちゃんを歌うことへの拒絶反応だったのだと思う。
何でちびまる子ちゃんなんかって気持ちがあったのだと思う。
それはくだらぬプライドだ。
捨てなきゃ、捨てなきゃと思っても、でもその気持ちは捨てられなかった。
たいした実りもなく、合宿一日目の稽古は終わった。

2日目。
朝からボイトレを始める。この日もちびまる子ちゃんの『おどるポンポコリン』。この曲を受け入れられないまま2日目を迎えたのだから、結果は語るまでもなく・・・
午前の稽古の終わり時間が近づいてきたころ、先生からきどって歌いすぎることを指摘された。出来ないのに平気な顔をするな。出来ないのなら悔しがれ。感情を出すんだ。

そのとき、オレはどの程度先生の言葉が響いたのだろう。先生の言葉さえも平然と聞こうとしていた覚えがある。心が打ち砕かれたら、それこそ何もしたくなくなってしまうから。過去に嫌って言うほど、そんな体験をしてきたから。だからオレは自分の心を守ろうとする。感情を殺して平気なふりをする。

そのときもそうだった。だから、ボイトレの成果が出ない午前の練習は終わった。
その後、夕方からボイトレを再開。音程を合わせることが出来ないという平行線が続く。先生は「『おどるポンポコリン』には、メインボーカル以外にもいろんな声が入っている。例えば『タッタタラリラ』の男性の声とか、それら5種類の声、全部を真似て歌え」
指示の意図がよく分からないまま、始めるものもこれが地味に難しい。
5種類をまねるどころか、声のバリエーションは1種類だけだ。
おそまつな声の使い方。そんな僕に先生が下した結論。
それは、声の表現力のなさだ。

その表現力の足りなさを克服するには、物真似をすること。
しかも、アニメだから、アニメのキャラの物真似を。

 新たな指示が出たところで、この日のトレーニングが終わる。


最終日、朝に1時間ほどボイトレを行う。まずは、物真似の練習から。You tubeの動画を聞きながら物真似を練習。主にタイムボカンシリーズのキャラの物まねをした。そうしながらも合間合間で『おどるぽんぽこりん』を歌う。
1時間はあっという間に過ぎた。
結局、音程が合うことはなく、3日間が過ぎた。
[PR]
by postmanda | 2007-08-20 02:08


<< オレの夏休み③ オレの夏休み① >>